胆石
良性手術症例内訳
胆石症はよくある疾患で、胆嚢結石症と総胆管結石症と稀ながら肝内結石症があります。諸検査にて胆嚢に結石を認め心窩部痛・右季肋部痛・背部痛などの痛みがある場合は手術適応となります。日本では1993年頃より腹腔鏡下胆嚢摘出術が行われ、30年がたちました。腹腔鏡下手術の出現は、胆石疾患に対する医療価値を高めました。これに伴う合併症も出そろってきたことにより、安定した手術手技となりました。以前は無症状胆石も手術を施行しておりましたが、経過観察も一つの方法です。しかしながら、胆嚢結石手術症例のうち約100~200例に1例の割合で、胆囊癌が潜んでいることより、胆囊癌を念頭においた経過観察が必要となります。
急性胆嚢炎は緊急手術または保存的治療後の手術となります。臓器障害や全身状態を評価しつつ、発症後72時間以内のものはTG18(Tokyo Guideline 2018)に準拠し、積極的に腹腔鏡下胆嚢摘出術を行っております。
総胆管結石は内視鏡治療(当院消化器内科専門医による)が主として行われます。内視鏡治療が困難な場合、開腹による総胆管截石術・Tチューブドレナージ術を行います。手術治療も困難な場合は、カテーテル治療(当院放射線科医師による)を行うこともあります。
全症例 | 胆嚢摘出術 | 総胆管截石・ Tチューブドレナージ術 |
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腹腔鏡下 | 開腹 | |||
2008年 | 64 | 53 | 6 | 5 |
2009年 | 66 | 52 | 10 | 4 |
2010年 | 67 | 51 | 13 | 3 |
2011年 | 50 | 36 | 12 | 2 |
2012年 | 70 | 58 | 11 | 1 |
2013年 | 89 | 58 | 27 | 4 |
2014年 | 67 | 42 | 22 | 3 |
2015年 | 75 | 55 | 19 | 1 |
2016年 | 78 | 63 | 13 | 2 |
2017年 | 84 | 70 | 13 | 1 |
2018年 | 104 | 92 | 12 | 0 |
2019年 | 109 | 100 | 9 | 0 |
2020年 | 103 | 94 | 9 | 0 |
2021年 | 105 | 91 | 13 | 1 |
2022年 | 115 | 103 | 11 | 1 |
2023年 | 98 | 88 | 8 | 2 |