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関節リウマチとは
関節リウマチでは何らかの原因で免疫システムに異常が生じて炎症が起こります。
炎症によって関節の滑膜が腫れあがり(関節炎)、軟骨や靱帯、骨を破壊 (関節破壊)して関節の変形をきたします。筋肉の腱の周りで滑膜が腫れる (腱鞘炎) 場合もあります。
特徴的な症状は手の指、手首、足の指の関節の腫れや朝のこわばりです。左右両側にあらわれるのが特徴的ですが、そうでない場合も多く、症状がでてから早い時期では片側だけであったり、肩、肘、膝や足首の一つの関節のみが炎症を起こしている場合もあります。関節以外にも症状が出現し、体のだるさ、微熱、体重減少など関節以外の症状を伴う場合もあります。適切な治療を行わなければ関節が破壊され、変形をきたすことにより日常生活に支障が生じます。
診断
関節が破壊されるのを防ぐためには早く診断し、速やかに炎症を抑える治療に入る必要があります。診察所見、血液検査(CRPや血沈などの炎症反応、リウマトイド因子や抗CCP抗体など)や様々な画像診断(X線、関節超音波、MRIなど)を組み合わせて総合的に判断をします。
治療
近年、メトトレキサート (MTX) や種々の生物学的製剤 (バイオ)が登場し、強力に炎症を抑えることができるようになりました。このような薬物治療の進歩により、リウマチ治療は治療をつづけながら腫れや痛みがなくなる“寛解“を目指します。合併症などの問題により十分な薬物治療ができない場合もあり、必要時は他科と連携しながら、各個人に見合った目標を設定して治療を行います。病気が進行して破壊されてしまった関節には人工関節置換術などの機能再建手術を行います。また、薬物療法でも残存する滑膜炎に対して外科的に滑膜切除を行うことにより、関節の温存や薬の減量が可能となります。
対象となる疾患
関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、全身性硬化症(強皮症)、多発性筋炎、皮膚筋炎、混合性結合組織病・オーバーラップ症候群、血管炎症候群、RS3PE症候群、IgG4関連疾患、ベーチェット病、抗リン脂質抗体症候群、成人スティル病、リウマチ性多発筋痛症、血清反応陰性脊椎関節症(強直性脊椎炎など)、小児リウマチ性疾患、痛風・偽痛風他
※変形性関節症は時にはこれらの疾患との鑑別が困難であり診断や治療の対象となります