
外来化学療法室は、通院で点滴療法を受けていただく部署です。
近年、化学療法による副作用症状に対する支持療法の発達により、外来での治療が多くなっています。そのため、患者さんは仕事や家事などの日常生活を送りながら、外来で通院治療することができるようになりました。
外来で治療することで、自分のライフスタイルを維持しながら治療継続することが可能となり、患者さんのQOL(生活の質)向上につながっています。
当院では、平成18年より外来化学療法室を設置し、5床で外来化学療法を開始しました。平成20年には、南館2階の現在の場所へ移転し、8床に増床となりました。
外来化学療法室にはリクライニングチェアー8台を設置しており、患者さんが楽な姿勢で、リラックスして治療を受けることが出来るよう、環境の配慮に努めています。
がんの薬物療法とは
がんの薬物療法は、がんの3大治療法の1つです。
がんの薬物療法の目的は、「がんの根治」、「腫瘍の縮小・生存期間の延長」、「症状緩和・QOLの改善」の大きく3種類に分けられます。また、疾患によっては手術療法や放射線療法と薬物療法を組み合わせた集学的治療が行われることがあります。集学的治療には、原発巣を手術で切除した後、全身の微小転移巣を消失させることを目的とした術後化学療法、手術前に腫瘍の縮小を図り、切除可能にしたり、臓器温存を可能とすることを目的とした術前化学療法、同時に施行することで、腫瘍細胞の放射線に対する感受性を高め、照射野外の微小転移を消失させる効果が期待できる化学放射線療法があります。
外来化学療法室の看護師の役割
化学療法は種類によっては様々な有害事象があります。そのため、自宅で生活をしながら化学療法を受けている患者さんが、安全に安心して治療を受けることが出来るよう、快適な環境の提供を心掛けています。また、患者さんが決定された治療が完遂できるよう、副作用のコントロールについて患者さんに指導を行ったり、セルフケアについて一緒に考えたり、継続的に支援を行います。来院されるたびに日常生活状況についてお伺いし、患者さんが治療と日常生活をうまく両立できているかどうか確認させていただきます。患者さんそれぞれの生活について一緒に考え、患者さん自身が自分の治療について意思決定できるよう支援しています。
化学療法に関わる多職種について
当院には、外来がん治療専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師、がん病態栄養専門管理栄養士が勤務しており、がんで薬物治療を受けている患者さんの相談に対応しています。《食事に関すること》・食欲がない・味覚異常がある・口内炎があって食べにくい など食事に関する相談や困りごとがあれば、がん治療に詳しい栄養士より食事に工夫やおすすめ、栄養剤などについてアドバイスさせていただきます。
《薬剤に関すること》・内服の抗がん剤が飲みにくい・副作用症状がつらい・薬が残っている・治療のスケジュールを教えて欲しい など薬剤に関する相談や困りごとがあれば、がん治療に詳しい薬剤師がタイムリーに対応させていただきます。家での管理については、患者さんのかかりつけ薬局と連携し、在宅での生活も継続的に支援させていただきます。
外来化学療法室での治療のながれ
外来治療前日まで初めて利用される患者さんは、外来化学療法室に見学に来ていただきます。その際、パンフレットをお渡しし、当治療室での治療の流れについて詳しくオリエンテーションさせていただきます。
治療当日①外来化学療法室で受付をしてください。 (予約票をお渡しください。)↓②血液検査をさせていただきます。(尿検査が必要なこともあります。)(治療法、薬剤の種類により血液検査はない場合があります)↓③血液検査の結果が出たら、主治医または担当医の診察を受けていただきます。 (体調や血液検査の結果で、本日の治療をするかどうかの判断をします)↓④治療 治療による心配ごとや困っていることなどあればご相談ください。↓⑤会計窓口
外来治療終了後(緊急時の連絡方法)
※以下のような症状がある場合は、病院に連絡してください。・38.0度以上の発熱がある・悪心・嘔吐や口内炎、食欲不振などで、水分が摂れない・普段と比べて、下痢が1日4回以上続いている・人工肛門の方は、下痢が多く、日常生活に支障が出ているその他、心配や不安なことがあれば、電話でご相談ください
連絡先:済生会中和病院
平日(月~金曜日)8時30~17時:外来化学療法室
平日17時以降・土曜日・休祭日:当直看護師長
TEL:0744-43-5001