放射線治療のご案内
放射線治療とは
がん細胞が正常細胞に比べ放射線に弱いことを利用し、病巣部に放射線を照射することでがんの治療を行います。手術療法、抗がん剤療法とならぶ主要ながんの治療法のひとつです。
がんが限局している場合、臓器の形や機能を残したまま治すことができ、また、照射には痛みをともなわないので麻酔をかける必要もありません。全身への負担が少なく、高齢者や体力に余裕のない患者さんでも治療可能で、多くの場合外来通院でも治療できます。
放射線治療の方法
放射線治療は大きく分けて体の外側から放射線をあてる外部照射と、体の中に放射線の出る物質を入れて照射する内部照射とがあります。
当院の放射線治療は外部照射のみ行っております。治療する部位の深さによって治療医があなたに最適な照射方法を決定します。
放射線治療の対象疾患
咽頭癌や舌癌などの頭頚部腫瘍、食道癌、一部の肺癌、前立腺癌、子宮頚癌、皮膚癌は放射線治療が有効とされており、病気にはよるものの手術と比較して遜色のない成績が期待できます。脳腫瘍、乳癌、直腸癌、リンパ腫などでは、他の治療法との併用で治療されることも多く、膵癌なども放射線治療の対象になります。また、骨転移などの痛みに対しての症状緩和に放射線治療が有効なことも少なくありません。
放射線治療の臨床的な役割
現在我が国において放射線治療の利用率は20%台であり、米国の60%に比べて普及していません。放射線治療は単独あるいは他の治療法と併用であらゆる部位のがんの根治的治療に用いられており、今後、米国と同様に放射線治療患者の50%は根治目的で治療が行われるようになると思われます。