悪性手術症例内訳

消化液の一種である胆汁は肝臓で作られます。胆道とは上流から下流に向かって、その胆汁が流れる経路通路が胆管、胆汁を貯蔵濃縮する小袋が胆嚢、十二指腸への出口にあり逆流防止弁の役割を持つ十二指腸乳頭部；Vater乳頭部のことを言います。それぞれの部位に癌が発生し胆管癌、胆嚢癌、乳頭部癌と言い、これらを含めて胆道癌と言います。さほど耳慣れた病名ではないと思いますが、珍しいわけでもありません。それぞれの部位、進行程度によりさまざまな手術術式が選択されます。胆石手術時にたまたま発見される早期胆嚢癌や、胃カメラ検診などで発見される早期乳頭部癌は予後良好ですが、総じて進行胆道癌で発見され予後は胃癌や大腸癌より不良です。術後の補助療法や進行再発胆道癌に対してGEM（ゲムシタビン）+/－CDDP（シスプラチン）による点滴や免疫チェックポイント阻害剤、S-1などの経口薬による抗癌剤治療が行われます。放射線治療は第一選択とはなりませんが、症例により行われることがあります。

胆道癌手術数の年次推移