乳癌

悪性手術症例内訳

乳癌は女性の癌の代表選手で、予後良好な癌の一つです。男性乳癌も稀にみられます。乳癌はすべてのがん治療のトップランナーであり、手術治療・放射線治療・抗癌剤治療・ホルモン剤による治療とその組み合わせにより治療法が選択されます。それぞれの時代で同じ乳癌であっても手術方法が変化してきました。乳腺・胸筋を切除する定型手術から、胸筋を温存する非定型手術、乳房を温存し一部の乳腺を切除する温存手術へと、また腋窩リンパ節に対しても全摘出手術からセンチネルリンパ節生検へと変化してきております。これらは美容的心理的側面とリンパ浮腫の発症予防のための術式変更であり、乳癌患者全体の医療価値向上をもたらしました。時代の流れとともに、乳腺分野の専門性を発揮しながら乳癌治療を中心に行う医師が治療を行うようになってきております。また手術後5年から10年たって再発をきたす乳癌もあり、乳癌診療は長期間のフォローアップが必要となり乳癌の地域医療連携が重要とされております。
局所進行・再発乳癌に対しては、点滴抗癌剤治療や分子標的薬が主となります。厳正なレジメ管理のもとで専門スタッフによる
外来化学療法室での治療が行われます。
終末期医療は緩和ケアチームを中心として積極的に行っております。当院では平成24年7月より放射線治療が行われ、乳房温存術後やリンパ節転移のある乳癌に対し行われます。

乳癌手術数の年次推移

  全症例 全摘手術 温存手術 温存率
2008年 68 38 30 44%
2009年 63 37 26 41%
2010年 57 34 23 40%
2011年 57 26 31 54%
2012年 76 42 34 45%
2013年 70 40 30 42%
2014年 74 46 28 38%
2015年 77 45 32 42%
2016年 67 49 18 27%
2017年 76 48 28 37%
2018年 60 39 21 35%
2019年 56 43 13 23%
2020年 56 43 13 23%
2021年 59 48 11 19%
2022年 74 57 17 13%
2023年 25 16 36%
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