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　アスベストは、耐熱性、断熱性、耐腐蝕性など素晴らしい特性を有しており、わが国において様々な分野の製品に使用され、我々の身の回りに広く普及しています。
　アスベストによる健康障害は、アスベストを経気道的に吸入することにより発生し、アスベストを大量に吸入した人のみ発生する職業性疾患と考えられてきました。
しかし平成17年6月「クボタ旧神崎工場周辺の一般住民にアスベストにより発生する悪性胸膜中皮腫が多発している」という報道を契機に、アスベストによる健康被害を懸念する人が急増しました。

　アスベストにより発症する疾患は特殊でその認知度は低く、このため当院では平成17年8月から検診業務を主とし、さらにアスベスト関連疾患の診断・治療を行う専門外来としてアスベスト外来を開設し、石綿健康管理手帳検診、石綿工場元従業員・石綿工場周辺住民の検診、奈良県石綿の健康リスク調査等を行っています。

平成27年7月までに1062例（延べ約4,400例）の方が受診され、胸膜中皮腫6例、肺がん16例、良性石綿胸水10例、著しい呼吸機能障害のあるびまん性胸膜肥厚3例・石綿肺7例の石綿関連疾患を診断・治療してきました。
またこれらの方に労災申請、石綿救済法の申請等を行ってきました。

■ 本外来は、健診センター2Fにて週1回（水曜日（第一水曜を除く））、完全予約制で行っています。