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腎不全・透析・移植外来について
腎臓は生命維持のための重要な臓器であり、腎臓の機能が廃絶した場合は致死的な状態に陥ることがあります。幸い、近代になり腎臓の代替療法が開発されて腎機能が廃絶しても生命にかかわることはなくなりました。現在、本邦における透析患者さんは33万人以上に及んでおり、奈良県でも2018年末で3,611名の方が透析されております。当院では、血液透析の導入と維持透析治療を施行しており、透析患者さんの合併症に対しても対応しています。また、腎不全の保存期より、末期腎不全に陥らないような食事療法や内科的治療が重要であり、他科と連携して治療にあたります。
一方、腎不全の最も理想的な治療は腎臓移植ですが、奈良県立医科大学附属病院と連携して、腎臓移植を希望する患者さんは当院で厳密に検査し、腎臓移植手術が可能と判断されたら大学病院へ紹介して共同で腎臓移植を施行します。その後、腎臓移植手術の施行後に安定したら当院で管理させていただいております。
以上のように、保存期腎不全も含めた腎代替療法全般にわたり治療対象といたします。
治療
末期腎不全の患者さんに対しては、当院内科と連携して合併症に対する治療を行います。透析導入より維持透析管理に重点をおき、定期的血液検査、レントゲン検査、心電図、消化管内視鏡検査や腹部CTで早期の合併症発見に努め、より良い透析生活と予後の改善に努めております。また、透析まで至らない保存期の腎不全患者さんに関しては、薬物療法に加えて当院栄養科とともに食事療法を行っていきます。また、血液透析の要である血管シャントのトラブルが発生した時には、PTAやアクセス作成を迅速に対応します。
一方、腎臓移植に関しては、移植を希望する患者さんの全身チェックを行った上で、奈良医大腎臓移植チームと連携して医大病院で腎臓移植を施行し、その後は当院で定期的に移植腎機能の管理をします。腎臓移植後の拒絶反応が発生した場合は、迅速に入院の上でパルス療法なども含めた拒絶反応の治療にあたります。
治療対象疾患
タンパク尿、血尿、腎機能障害、腎不全、維持透析合併症、透析シャントトラブル、腎臓移植相談など腎臓障害に関わるあらゆる疾患を対象とします。