血液検査
血液は液体成分と細胞成分からなっています。細胞成分は赤血球、白血球、血小板の3種類です。この3種類の細胞数とヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などを分析装置(左写真:平成20年度に競艇の交付金による日本財団の助成金により、整備しました)で測定します。
血液中の白血球、赤血球、血小板などの細胞形態を知ることが必要な検査結果が出た場合には、自動的に観察スライドを作成する装置を備えていますので、顕微鏡で検査技師がそれらを詳細に観察して判定しています。
白血球は,好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球などに分類され、その比率を調べます。これらの血球に量的・質的異常が生じると、貧血、免疫能低下、出血傾向などの症状が認められます。まれに未熟な細胞や白血病細胞も出現します。
外傷などにより出血が起こると、生理的な反応として血栓がつくられ、出血が止まります。止血機能は血管内皮、血小板、血漿成分(凝固・線溶因子)などの共同作業で行われます。一方、血栓形成や血液凝固が過剰に進行すると、血液循環が障害されて生体に不都合なため、血栓形成の促進と抑制が幾重にも絡み合うように調節されています。これらのどこかに欠陥があると止血異常や、反対に血栓症を生じます。
この働きを検査するのが血液凝固・線溶検査です。手術前の必須検査項目であり、また血栓症の治療に使う抗凝固薬(血液を固まりにくくする薬)を服用されている患者様では、お薬の効果をみるために必要な検査となっています。