院内誌まほろば94号
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表紙
「県営馬見丘陵公園」
馬見丘陵は、香芝市・広陵町・河合町など2市3町に跨る低い丘陵地で、開発から自然や古墳群を保全するため、「歴史と自然に囲まれた憩いの空間」を目指して、公園事業に着手しました。
北エリアの「大型テント」前から、中央エリアの「カリヨンの丘」にかけて、35万本以上のチューリップが咲き誇り、開花に合わせ4月上旬~中旬に「馬見チューリップフェア」を開催しています。撮影 診療情報室 岡田 真一
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「PICC」
放射線科 末吉 智
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当院ではCVポートの認知度が高くなっていますが、『PICC (Peripherally Inserted Central Catheter) 』という手技はご存知でしょうか?
英語で書くともっともらしく見えますが、いわゆる“末梢から挿入した中心静脈カテーテル”のことです。かなり以前からあったものですが、2010年4月の診療報酬改定でPICCの保険償還価格(13,800円)が算定され、これに伴ってPICCとしての手技料(700点)が新設されました。上腕経由のCVポートを留置と同じように通常は尺側皮静脈からカテーテルを挿入、先端は心臓に近い上大静脈に位置するように留置します。鎖骨下静脈からの穿刺とは異なり、気胸などの大きな合併症がないことが大きな利点です。カテーテルは3Fr~6Frと比較的細いものであり、体内に埋め込まないために出血傾向がある症例でも挿入することが可能です。さらに2016年11月より発売されているパワーPICC(メディコン社製)ではCVポートと同様に造影剤の急速注入(1~5ml/秒:カテーテルのタイプにより異なる)も可能となり、その利点が増加しております。一方、CVポートと異なりカテーテルを体外に出した状態なので、入浴が難しくシャワー浴に限られることや自己抜去の危険性があり、CVポートほど長く使用できない(数か月程度)ことが欠点として挙げられます。そのため、患者さんの状況によってCVポートとPICCを使い分けるのもよいかもしれません。
日常診療に携わっておられる医師・看護師の皆さん、ルートキープや栄養管理に難渋されている症例がございましたら、CVポートだけでなくPICCも検討されてはいかがでしょうか?
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「ロコアテープ」
薬剤師 松岡 晃子
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「今日は湿布出とるかいな?」「これはプニプニしている方(=パップ剤)ですか?」「ピタッと貼りつく(=テープ剤)のが欲しいねん」というような、湿布に関連する患者さんからの質問を私たち薬剤師はよく耳にします。湿布は処方に枚数制限があるからというのも理由の1つかもしれませんが、かなり気にされている様子が窺えます。また入院患者さんで湿布をいろんな部位に貼付されており、1回で何枚使っているのかな?という方もよく見かけます。今回はその湿布でも『ロコアテープ』に関するお話です。
このロコアテープ、変形性関節症を患っている人を対象に作られた、強い消炎鎮痛作用を持った貼付剤になります。ここで大きく注意してもらいたいことが2つあります。1つ目は1日1回、最大で2枚までしか貼付できないことです。湿布=痛いところに全部貼付してもよい、ではないのです。2枚を超えて貼付すると鎮痛消炎経口剤よりも多い有効成分が体の中に移行してしまい、副作用発現リスクが高まってしまいます。もし痛いところがたくさんある場合は、特に痛い2カ所に貼付します。2つ目は他の消炎鎮痛剤(経口剤、坐剤、注射剤)とは原則一緒に使えないということです。併用すると過量投与に繫がる恐れがあり、これもまた副作用の発現リスクが高まります。消炎鎮痛剤は処方箋薬のみならず、市販されている痛み止め、解熱剤、風邪薬も該当することがあります(非ステロイド性消炎鎮痛剤を含む薬)。もしこのような薬を使用する場合は、医師、薬剤師に相談ください。
ロコアテープはかなり効果の期待できる貼付剤ではありますが、使われる際は先述したロコアテープ独自の注意事項に留意しながら使用してくださいね。
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「運動とストレスについて」
リハビリテーション科
理学療法士 吉田 光宏 -
皆さん、昨今の外出制限により、日々我慢しなければならないことが多いのではないでしょうか?日ごろのストレスを発散することができず鬱屈することが多いかと思います。皆さんはそういったストレスをどのように解消されていますか?私は日ごろから、運動に携わる仕事をさせていただいているので、今回は運動によるストレス軽減の効果についてお話させていただこうと思います。
実際に「運動をするとストレス解消になる」ということは、多くの人が感じていることだと思います。例えば、運動した後に頭がスッキリするということは経験されたことがあるのではないでしょうか?運動がストレス解消に効果がある理由としていくつかあると言われています。例えば、運動することで、GABAや、セロトニンといった神経伝達物質の分泌が促されるということが言われています。これらは気分を整え、不安感を緩和してくれると言われています。またそれにより、良質な睡眠がとれるということが言われています。
では実際にどのような運動が効果的かというと、少し息が弾む程度の有酸素運動が特に効果的だと言われています。例えば、天気の良い日には一回20~30分程度の散歩もいいでしょう。またインターネットでは、室内でもできる運動についての動画もアップしてくれていますので、それを見て楽しみながら運動をすることもできます。感染対策をしながら一度そういった運動で気分転換してみてはどうでしょうか?