院内誌まほろば91号

表紙

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「天理市幾坂池の夜桜」

 

 

  天理市の杣之内町にある幾坂池の西側堰堤には、ソメイヨシノが5本植栽されています。なかでも一番南側の桜は特に大きく、根本は一本ではなく何本かの桜がお互いに巻き込んで融合しているようにも見ます。
 「親里競技場入口」、県道51号線沿いから観ることができ、青空を背景に緑の斜面に咲くことから「幾坂池の一本桜」と呼ばれ、道路側から見上げる姿が美しいのはもちろん、対岸から映り込みを楽しむこともできます。

撮影 リハビリテーション科 武田 将直


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「難聴について」

耳鼻咽喉科医師 清水 直樹

 難聴を主訴に耳鼻科外来に受診される方は多くいらっしゃいますが、難聴の原因は様々です。 耳垢や中耳炎など、外耳〜中耳の疾患で生じる伝音性難聴は投薬や手術で改善することも多いのですが、内耳の障害が原因となる感音性難聴は治療が困難です。 このうち内耳感覚器細胞の減少・変性による加齢性難聴は、成人の感音性難聴の原因として最も頻度が高く、糖尿病、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病やストレスの影響が加わると、より進行しやすくなることが報告されています。
 一般に、人が聞くことのできる音の周波数は、20~20000Hzと言われていますが、普段の会話で必要な音は250~3,000Hzの周波数帯に集中しています。加齢性難聴は、まず高音域(4,000
Hz~)から始まり、徐々に会話音域へと広がっていきます。ただし当初は自覚され難いことが多く、聴力の低下を早期に発見することが重要です。健康診断の聴力検査で1,000Hzと4,000Hzの2つの周波数の音が用いられているのはそのためです。健診で難聴を指摘された際には、耳鼻科外来を受診していただき、125~8000Hzの周波数の音を用いてより詳しく調べ、加齢性難聴と診断された場合には、必要に応じ補聴器をお勧めしています。尚、インターネットで検索すると更に多様な周波数の音を簡単に聞くことができます。中でも若者だけが聞こえる「モスキート音:17000
Hz~」はよく知られていますが、皆さんはこの音、まだまだ聞くことができますか?


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「点耳薬」のお話

薬剤部 石岡 綾乃

 耳に使う薬の一つに点耳薬があります。目薬と違って馴染みのない方も多いのではないでしょうか?点耳薬には細菌を抑える薬、炎症を和らげる薬、耳垢を柔らかくする薬などがあり、薬液を耳の中に滴下して使用します。
 一般的には薬液を垂らした後2~3分間そのままの姿勢を保つ方法を点耳、10分間姿勢を保つ方法を耳浴といいます。使用する際は薬液が冷たいまま使用するとめまいや吐き気を起こすことがあるため、2~3分間手で握って温めるか、室温に戻してから使用しましょう。患部が少し奥の方の中耳(中耳炎など)の場合は、液を垂らした後に軽く耳たぶを後ろ(後頭部側)上方へ引っ張りながら揺するようにすると液が中耳まで行きやすくなります。また、唾を飲み込むようにすると液が奥まで届きやすくなります。
 また、点耳薬と点眼薬は容器がとてもよく似ているので注意が必要です。さらに薬の成分は同じでも添加物などが違うもの(タリビット耳科用液®とタリビット点眼液®)、点眼・点耳どちらも全く一緒のもの(リンデロン点眼・点耳・点鼻液®)などもあります。添加物が違うものはもちろん、薬として同じものでも点眼を点耳に、点耳を点眼に代用することはやめ、お薬は正しく使用しましょう。
 点耳薬を間違えて目に入れないようにするために、併用している方は保存場所を変える、使用する前は薬の名前や注意書き(点眼薬に似ているものには「眼に入れない」などの注意書きがあります)をよく確認することが大切です。


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「在宅に繋ぐリハビリテーション」

リハビリテーション科
理学療法士 野田 文平

 

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 「ときどき入院、ほぼ在宅」というフレーズを一度は耳にしたことがあると思います。これは、2025年までに国が目指している医療の姿を表しています。当院においても、初期治療や慢性疾患の投薬等はかかりつけ医が受け持ち、より専門的な検査や入院治療、手術が必要になった場合は、地域の中核病院である当院に入院して治療を行う、といった「地域完結型医療」を推進しています。
 病状が安定すれば、できるだけ早期に、病前と遜色のない生活ができる状態で在宅に戻り、かかりつけ医に診て頂きます。
 病前に近い状態での在宅復帰を実現するためには、リハビリテーション(以下、リハと略す)は必須となります。評価も含めると、入院したその時から退院支援・調整と共に遂行されるべきものであり、特に早期離床・早期介入できるかがポイントです。
 また、急性期を経過した患者においては、生活に即したリハが重要です。理学療法、作業療法、言語聴覚療法の時間だけではなく、病棟での生活動作そのものが、在宅復帰に必要な動作能力であることを念頭に置き、時には在宅での生活動作に近い環境を作って練習を促していくことも重要だと考えます。
 多職種で連携し、必要な時に必要なだけ介入していくことが在宅復帰支援には不可欠です。皆さんも今一度、自らが支援できる生活リハについて考えてみませんか?

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