院内誌まほろば81号
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表紙
「大和葛城山」
大和葛城山(やまとかつらぎさん)は、金剛生駒紀泉国定公園内にあり、奈良県御所市と大阪府南河内郡千早赤阪村との境に位置する標高959.2mの山で、単に葛城山と呼ばれることもあります。北の二上山や南の金剛山に連なる金剛山地の山の一つで、かつては金剛山を含む葛城山脈を総称して葛城山と呼び、大和葛城山は大和国では戒那山(かいな)、天神山あるいは鴨山と呼ばれ、河内国では篠峰(しのがみね)と呼ばれていました。山頂付近は葛城高原と呼ばれ、ツツジの開花時期には多くの観光客が訪れます
撮影 リハビリテーション科 山本 成敏
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「薬の話(吸入薬)」
薬剤師 澤田 祐子
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吸入薬は、COPDや気管支喘息のお薬として使われています。多くの吸入薬がある中で、違う点が二点あります。 まず一点目として成分、またもう一点は吸入方法です。今回は一点目の成分についてお話します。一般的に「絶対うがいしないといけない!」と思われがちの吸入薬ですが、この成分が吸入後のうがいの有無に大きく関係しています。成分は大きく分けて三種類あり、①ステロイド剤②β刺激薬③抗コリン薬があります。 よく知られているのが、①ステロイド剤です。ステロイド剤が口内に残ってしまうと、口腔内カンジタ(口の中にカビが生えること)、嗄声(声が嗄れること)などの副作用が生じる可能性があるので、必ずうがいをしないといけません。次に聞きなれない②β刺激薬③抗コリン薬です。②β刺激薬は口の粘膜から薬が吸収されると全身作用し、必要としない作用が生じる可能性が、③抗コリン薬は口渇という副作用が生じる可能性がありますが、うがいを必ず勧めないといけないほどではありません。 薬剤師として、ステロイド剤に対して「必ずうがいをするように。」「うがいが難しい方は食前に吸うように。」など口内に残らないようにするために指導します。しかし、ステロイド剤とうがいの必要性が低い吸入薬を2種類吸入している方などは間違えを防ぐために、その場合も同様にうがいを指導しています。必要な理由がわかれば、コンプライアンスの向上に繋がるでしょう。
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「コーヒー」
管理栄養士 藤本 幸余
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コーヒーは日常的・習慣的に幅広く飲まれていますが、健康面でも盛んに研究が進められている嗜好品です。多くの研究で、コーヒーを日常的に摂取する人は、そうでない人に比べて病気になるリスクが低減するとされています。コーヒーには様々な成分があり、カリウムには血圧の降下作用があり、脳卒中や動脈硬化の予防につながるとされます。また、抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれています。ポリフェノールの一種のクロロゲン酸は、コーヒーの褐色や苦味、香りのもとになっており、血糖上昇の抑制作用があり、二型糖尿病のリスクを下げるとされています。よく知られたカフェインには血管拡張や利尿効果があります。一方で、同じく成分のタンニンは、鉄分の吸収を阻害するため、鉄分の薬を飲んでいる場合や貧血の時は飲みすぎに注意です。健康を意識しすぎて過剰な量を飲まずに、毎日適度な量を飲むようにします。また、コーヒーの中に砂糖やミルクなどを多くいれると、糖分や脂肪のとり過ぎになるのでコーヒーの効能も意味がなくなってしまい、量の加減が必要です。そして、生活パターンとして、コーヒーを飲むときに一緒に喫煙することがありますがこれも病気のリスクを上げる原因となるので注意が必要です。コーヒーはあまりにもありふれた嗜好品であるために健康を意識されずに飲まれることも多いですが、バランスのとれた食事を意識して、一緒に飲んでいきたいものです。
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「ストレッチについて」
リハビリテーション科
理学療法士 辻 幾郎 -
皆さんも一度はストレッチを行ったことがあるのではないでしょうか。今回はストレッチについてお話しさせていただきます。 ストレッチは筋肉を伸ばした状態で数十秒間静止する「静的ストレッチ」と、反動や動きを伴う「動的ストレッチ」に分けられます。しかし、一般的に「ストレッチ」と言えば、静的ストレッチのことを指すので、今回は静的ストレッチのお話しをします。 静的ストレッチは、筋肉への負担が少なく、安全性が高いために推奨されており、効果については、以下の三つになります。一つ目は、緊張をほぐし、リラクセーションを得ることができます。二つ目は、筋肉内の血流量を増加させ、疲労物質をとり回復させることができます。三つ目は、筋肉の柔軟性を増加させ、怪我の予防に繋げることができます。 実施するタイミングについては、基本的にいつ実施していただいてもかまいませんが、特に入浴後など身体が温まっている時やリラックスしやすい就寝前に行うと良いと言われています。 今回は腰痛や肩こりなどの改善のための具体的な方法について明記することはできませんでしたが、気になる方は書籍やインターネットで様々な方法が紹介されていますので、そちらを参考にしてみて下さい。最後に、筋肉の張りや凝りはまとめて解消するのではなく、その日のうちに解消する当日決算が理想的です。短時間でいいので毎日継続的にストレッチを実施してみてはいかがでしょうか。