院内誌まほろば61号

表紙

「雪の談山神社」(たんざんじんじゃ)

桜井市多武峰

 

藤原鎌足公を祭る神社。
天武天皇7年(679〕に唐から帰ってきた藤原鎌足の長男、定恵が父の墓を摂津からこの地に移」弟の不比等とともに十三重塔婆と講堂を建立して妙楽寺と称 したのがはじまり。大宝元年け01)年には鎌足公の御神像を安置する談山神社が建立され、多武峰には寺院と神社が並び立った。特に平安時代は藤原氏の権勢 をうけて栄え、朝廷を震感させるほどの勢力を誇ったという。
しかし明治の神仏分離令で妙楽寺は廃絶。寺院建築をそのまま神社として機能させているため独特の雰囲気があり、山門や梵宇を施した摩尼輪塔なども残っている。
また、社の名は藤原鎌足がこの山で中大兄(なかのおおえ)皇子と蘇我氏打倒を計画した故事の談山(かたらいのやま)に由来する。

撮影/診療情報室 岡田真一


 腎臓は、そら豆のような形をした大人の握りこぶし大の臓器です。
たくさんの細い血管が集まっていて、血液中の老廃物をろ過して体外に排出したり、体の中の水分量を調整したりする働きをしています。
CKD(慢性腎臓病)は、Chronic Kidey Diseaseの略で、腎臓の働きが低下した状態を言います。
CKDに気づかないで放っておくと、腎臓の働きはどんどん悪くなっていきます。しかし、悪いことに、CKDは、痛いとか、熱が出るなどの特徴的な症状がないので、なかなか気づかないのです。
現在CKDは、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の増加、あるいは高齢化社会の進行に伴って増加しています。そして、CKDを放っておくと、腎臓の血管がい ためつけられ、腎臓の働きがどんどん悪くなります。同時に全身の血管も傷つき、心臓病や脳卒中が起こりやすくなります。
心臓などが悪くなると、腎臓に栄養分を送る血液の量も減るため、腎臓がさらに悪くなり、悪循環か繰り返されます。
一方、CKDが注目されるようになったもう一つの大きな理由は、CKDの治療が可能になってきたことにあります。
「今ある治療法を十分活用すれば、CKDを減らし末期腎不全へ進行することを抑制できる」とされ、「CKDを早期に発見し、ベストの治療が受けられる医療システムを作る」ことが求められています。(CKD治療ガイド)


 「トローチ」と聞くと、その甘い味と形から薬よりものど飴などのお菓子に近いイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。
そのため「一日に何個使っても大丈夫」、「副作用もない」といった誤解をされることがありますが、実際には殺菌消毒薬や抗生物質を含むものもあり、正しい 用法・用量を守らなければ副作用が出たり、効果が出ないこともあります。
風邪在ひいてのどか痛いときに主に処方されるのは殺菌消毒薬を含むトローチで、咽頭炎、扁桃炎、□内炎、抜歯創を含む口腔内感染症の予防に用いられます。 咽頭炎はいわゆる「のどのかぜ」で、過労や温度変化でのどの粘膜の抵抗力が低下した際に細菌に感染して起こります。
扁桃炎、ロ内炎でも細菌による感染が原因となることもあり、粘膜が荒れることで別の細菌にも感染しやすい状態です。
トローチはなめることで直接患部の粘膜を殺菌・消毒し細菌の増殖を防ぎます。
抗生物質を含むトローチは抜歯創、□腔手術創の二次感染予防、感染性□内炎に適用されます。その他にも、抗真菌作用をもつトローチもあります。
また、トローチは内服薬のように消化管から吸収されて効果をあらわすものではなく、唾液で溶かされた薬剤が□腔粘膜や咽頭粘膜に直接触れることで局所作用 を示します。このため、口の中でできるだけゆっくり溶かして、患部に薬剤が作用する
時間を長くする方が効果が期待できます。
噛んだり、飲み込んだりしてしまうと十分な効果が得られません。トローチはうがい薬や湿布と同じ外用薬なのです。


 [お雑煮」は一年の無事を祈りお正月に食べる伝統的な日本料理です。餅の形やだし、具の種類は地方や家庭ごとに千差万別ですが沖縄を除く日本各地でお雑煮を食べる風習があります。(沖縄には今も雑煮文化はありません)
お雑煮には餅がつきものです。餅は昔から日本人にとってお祝い事や特別の日に食べる「八レ」の食べ物でした。新年を迎えるにあたり、餅をついて他の産物と ともに歳神様に供え、元日にそのお供えをお下がりとして頂くのがお雑煮です。
お雑煮を食べる際には旧年の収穫や無事に感謝し.新年の豊作や家内安全を祈ります。「雑煮」の語源は「煮雑(にまぜ)」でいろいろな具を煮合わせたことからきているようです。
日本全国、お雑煮の形は様々です。関西地方では丸餅、寒冷地や東京周辺は角餅を使う傾向があります。江戸時代、江戸には人口が集中していたため、一つずつ手で丸める丸餅より手早く数多く作れる角餅が使われたと考えられてい
ます。一方関西では.昔から「円満」の意味を持つ縁起ものの丸餅が使われていました。関が原の合戦の影響で,岐阜県関が原を境に西日本が丸餅で東日本が角 餅に分かれたという説もあります。「だし」については.関西地方のお雑煮は臼味噌仕立てです。東日本と近畿巷除く西日本では圧倒的にすまし仕立てのようで す。出雲地方や能登半島の一部等では小豆汁のお雑煮を食す地域もあります。私達が住む奈良県は、味噌仕立てのお雑煮に四角く切った豆腐とこん
にゃく、輪切りにした野菜と丸餅が入れられτいます。お雑煮に入っている餅は甘いきな粉をつけて食べます。黄色のきな粉には豊作になるようにという願いが こめられているようです。ちなみに中和病院のお正月のお雑煮は、元日は味噌.、2日はすまし仕立てになっておりどちらにもきな粉が添えられています。


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 病気や事故などの様々な原因により脳が損傷されたために、記憶・注意・思考行為学習などの認知機能に障害が起きた状態を高次脳機能障害といいます。
原因として最も多いのが脳卒申でずが、交通事故による外傷性の脳損傷(頭部外傷)でも多く起こります。その他、脳炎や脳症などでも起こ0ます。
主な高次脳機能障害では記憶障害・注意障害・遂行機能障害’・感情障害・失語症・失行症・半側空間無視・地誌的障害などが挙けられます。
高次脳機能障害の特徴としては、「外見からはどこか悪いのかわかりにくい」「本人が自覚していない(できない)」「周囲の人から入が変わったと誤解を受け やすい」「状況によって症状が現れたり、現れなかったりする」といったことが挙げられます。
当院のリハビリテーション科でも高次脳機能障害をお持ちの患者さんに対してリハビリテーションを行なっており、理学療法・作業療法では主にADL(日常生 活動作)に結びつけた訓練を、言語療法では主に机上での訓練を行っています。
先ほど述べたとおり、本人が自覚しにくい障害であるために訓練在何度も反復して行う必要がありますが、介助量の軽減やADL・IADL(手段的日常生活動作:炊事・洗濯・買い物 etc)の獲得になかなかつながりにくいという難しさがあります。
高次脳機能障害の最も重要な点は.退院して自宅に戻ってからの日常生活・社会生活への適応が困難になりやすい障害であるということです。
そのため本入およびその周囲の方が、高次脳機能障害という障害を知り、正しく理解して向き合っていくことが大切なポイントとなります。


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