新人看護師教育体制
新人教育の考え方
看護は人の生命に深くかかわる職業であり対象の生命、人格および人権を尊重することを基本とし生涯にわたって研鑽するべきものであります。そういう面において新人看護職員教育は看護実践の基礎を形成するものとして重要であり、したがって職員全体が新人看護職員に関心を持ち支援しともに成長することを目指しています。
教育支援体制:プリセプターシップ
新人看護師にはプリセプターがマンツーマンで、技術指導はもちろんのことメンタルサポートにあたります。そして、他の先輩看護師や主任看護師、師長も含め部署の全員で、全力で新人を教育、支援します。
また看護部教育委員会は入職時研修やその他の集合研修などのを企画・運営を担当し、教育担当副看護部長が全体の統括にあたります。
プリセプター(実地指導者)の条件
- ①卒後3年目から5年目のスタッフナースであること
- ②プリセプターの事前演習を受講していること
- ③リーダー業務が実践できること
- ④看護過程の展開ができ、看護技術の実践・指導が行えること
- ⑤新人の不安や悩みを自己の体験とつなげて受け止めることができる感受性をもっていること
入職時研修
入職から2日間は他部門の新採用者も一緒に病院全体の研修があり、その後5日間は看護部教育委員会による基本的な看護技術やグループワーク、講義などの集合研修を行い、徐々に現場に出る心構えができるよう支援します。
新人研修の内容(一部抜粋)
項目と主な内容(担当) | ねらい | 実際のようす |
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接遇マナー(接遇向上委員会) ・病院の接遇 ・身だしなみ ・敬語の使い方 |
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薬剤管理(薬剤部) |
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看護記録(看護部記録委員会) ・看護記録の意義と責務 ・看護支援システムの使い方 ・電子カルテシステムの使い方 ・観察と記録・報告(演習) |
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筋肉内・皮下注射(主任会) ・筋肉内注射法 ・皮下注射法 ・ペン型インスリン注射 |
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静脈注射・点滴注射(主任会) ・静脈注射法 ・点滴静脈注射法 |
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院内感染予防策 (感染防止対策委員会) |
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医療安全 (リスクマネージャー会) |
第1回:事故報告の仕方
第2回:「与薬・注射」
第3回:「患者安全確保」
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清潔操作と喀痰吸引(主任会) ・一時的吸引法 |
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排泄ケア(主任会) ・TENAの使用方法 ・尿道留置カテーテル法 |
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活動と休息 (主任会・皮膚・排泄ケア認定看護師) ・体位変換とポジショニング ・車椅子への移乗 ・ストレッチャーへの移乗 |
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輸液ポンプ・シリンジポンプの取り扱い (臨床工学技士室) ・輸液ポンプ、シリンジポンプの適正使用 |
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採血法 (教育委員会・中央検査室) ・静脈血採血法 ・検体採取時の注意点 |
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はばたけ新人ナース (教育委員会・主任会・プリセプター) ・「私のポートフォリオ」の使い方 ・プリセプターシップのサポートシステム |
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プリセプティ(新人看護師)フォローアップ研修
グループワークなどで悩みや不安、また学びや喜びなどいろんな気持ちを出し合い、振り返りを行うことで看護実践に活かすことを目的としています。
- 5月 1か月後フォローアップ
- 「ストレスマネジメント」
- 10月 6か月後フォローアップ
- 「半年の振り返り」
- 3月 1年後フォローアップ
- 「1年間の振り返り」
レベルⅠ(新人看護師) 看護技術研修
項目(担当) | ねらい | 実際のようす |
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7月 BLS 研修(主任会) ・BLS,ACLS について ・心肺蘇生 ・AED の使用方法 ・その他急変時の対応 |
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2月 輸血療法(主任会) ・血液製剤の種類と取扱い ・輸血の副作用 ・輸血療法時の看護 |
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新人看護師の1年